共働きの子どもはどっちの扶養?|健康保険は年収が多い方・税金は選べる

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カテゴリ:制度・ニュース

共働き夫婦の定番の疑問「子どもはどっちの扶養に入れるべき?」。実はこの質問には答えが2つあります。健康保険の扶養と税金の扶養はまったく別の制度で、ルールも損得も違うからです。健康保険は原則「年収の多い方」で自動的に決まり(差が1割以内なら選べる)、税金の扶養は毎年の年末調整で自由に選べて、付け方次第で住民税が変わることも。厚生労働省の通達と国税庁の一次情報をもとに、迷いどころを全部整理します。

大前提:「扶養」は2種類ある

健康保険の扶養(被扶養者)税金の扶養(扶養親族)
何が決まる?子どもがどちらの健康保険証を持つか親の所得税・住民税の計算(控除・非課税判定)
誰が決める?ルールで決まる(原則、年収の多い方)夫婦で自由に選べる(重複は不可)
変更のタイミング認定事由が生じたとき(届出)毎年の年末調整・確定申告で選び直せる
子の保険料・控除額被扶養者の保険料は無料(健保の場合)16歳未満は控除なし/16〜18歳は38万円など

「夫の扶養に入れているから税金も夫」でなくてもかまいません。健保は夫・税は妻という分け方も普通にできます。

健康保険:原則「年収の多い方」。差が1割以内なら選べる

共働き夫婦の子どもをどちらの被扶養者にするかは、厚生労働省の通達(2021年8月適用)で全国共通のルールが明確化されています。

  1. 原則:年間収入の多い方の被扶養者にする。年間収入は過去・現時点・将来から見込んだ「今後1年間」の収入で比べます
  2. 夫婦の年収差が「多い方の1割以内」なら、届出により主として生計を維持する方の被扶養者にできます(実質、選べる)
  3. 育児休業中は特例:育休で収入が逆転しても、被扶養者を異動させる必要はありません(地位の安定のため)。育休を機に扶養替えを求められたら、この通達を示して確認を
  4. 片方が国民健康保険の場合:国保には「扶養」の仕組みがなく、子どもの分も人数に応じた保険料(均等割)がかかります。健保側の被扶養者にできるなら、健保に入れる方が保険料の面で有利なのが原則です

年収が同程度なら「健保組合の中身」で選ぶ。差が1割以内で選べる場合は、付加給付(自己負担がさらに軽くなる独自給付)・家族手当の支給条件・健診や保養所などの福利を比べて決めるのが実利的です。会社の家族手当は「健康保険の扶養に入れていること」を条件にしている場合が多いので、就業規則もセットで確認してください。

税金:16歳未満は「低い方」、16歳以上は「高い方」が基本

税の扶養は年末調整の書類(扶養控除等申告書)でどちらに付けるか選べます。年齢で戦略が変わるのがポイントです。

子の年齢控除基本戦略
16歳未満(年少扶養親族)所得税・住民税の控除はなし控除がない代わりに住民税の非課税判定の人数に効く。パート勤務などで収入が少ない方に付けると、その人の住民税が非課税になるケースがある
16〜18歳扶養控除38万円(住民税33万円)税率の高い=所得の多い方に付けると減税額が大きい
19〜22歳(大学生世代)特定扶養控除63万円(子の年収150万円までは特別控除で満額維持)同じく所得の多い方が基本。子のバイト収入のラインは別途注意

16歳未満の「低い方に付ける」テクの例

  • 夫:年収600万円/妻:年収160万円・子2人(ともに16歳未満)
  • 子2人を妻の扶養(税)に付けると、住民税の非課税限度額が「扶養2人」の基準(目安:所得約136万円・給与収入200万円強。自治体で異なる)まで上がり、妻の住民税が非課税になる場合があります
  • 16歳未満はどちらに付けても所得税の控除はゼロなので、失うものがないのがこのテクの肝です

※ 非課税限度額は自治体・扶養人数で異なります。住民税非課税世帯の条件で仕組みを確認してください。

16歳以上の控除の仕組みと大学生の年収ラインは扶養控除の完全ガイド学生バイトと親の扶養で解説しています。

児童手当・家族手当・保育料はどうなる?

  • 児童手当:受給者は「生計を維持する程度の高い方」=原則、所得の多い方で、夫婦で選ぶことはできません。2024年10月から所得制限が撤廃されたため、どちらが受給者でも金額は同じです
  • 会社の家族手当(扶養手当):会社の規定次第です。「健康保険の被扶養者であること」「税の扶養親族であること」など条件が分かれるため、扶養の付け方を変える前に両方の会社の規定を確認してください。月1万円超の手当なら、税の細かい損得より影響が大きいこともあります
  • 保育料・高校の就学支援金:世帯(夫婦合算)の所得で判定されるため、どちらの扶養に付けても変わりません
  • ひとり親になった場合:扶養の付け方がひとり親控除児童扶養手当の判定に直結するため、別途整理が必要です

今日やること

今日やること

  1. 夫婦の今後1年の年収見込みを並べ、健康保険の扶養が「多い方」ルールどおりになっているか確認する(差が1割以内なら選択の余地あり)
  2. 16歳未満の子を収入の少ない方の「税の扶養」に付け替えた場合に住民税が非課税になるか、自治体の非課税限度額で試算する(変更は年末調整でOK)
  3. 両方の会社の家族手当の支給条件(健保扶養か税扶養か)を就業規則で確認する

よくある質問

Q. 健康保険は夫、税金は妻、という分け方はできますか?

A. できます。健康保険の被扶養者と税の扶養親族は別制度で、連動しません。健保は通達のルール(原則、年収の多い方)に従い、税は年末調整で有利な方に付ける、という組み合わせが可能です。

Q. 妻の方が年収が高いのに、会社から「子どもは夫の扶養に」と言われました。

A. 健康保険は厚生労働省の通達で「年間収入の多い方の被扶養者とする」ことが原則と明確化されています(2021年8月適用)。年収差が1割以内の場合を除き、性別や世帯主かどうかは基準ではありません。通達(保保発0430第2号)を示して確認してください。

Q. 育休中に収入が逆転したら、扶養を付け替える必要がありますか?

A. 健康保険は特例により、育児休業等の期間中は被扶養者を異動しないでよいとされています。復職後に恒常的に収入が逆転した場合は、そのときに見直します。

Q. 16歳未満の子はどちらに付けても同じでは?

A. 所得税の控除はどちらもゼロですが、住民税の非課税判定では扶養人数として数えられます。収入の少ない方に付けるとその人の住民税が非課税になる場合があり、非課税世帯向けの給付や減免につながることもあります。

参考リンク(出典)

※ 本記事は一般的な情報提供です。健保組合の運用・自治体の非課税限度額には差があります。個別の判断は勤務先の健康保険組合・市区町村・税務署・専門家にご確認ください。

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公開日:2026年08月02日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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本記事は税制・各種制度に関する一般的な情報提供を目的としたもので、税務上の助言ではありません。記載内容は公開時点の情報に基づき正確性に努めていますが、制度は改正される場合があります。実際のお手続き・個別のご判断は、国税庁・お住まいの税務署・税理士等の専門家にご確認ください。運営者情報・免責事項