法人税の確定申告ガイド

決算から申告・納付まで、法人が毎年やるべきことを完全解説。

法人税・住民税・事業税の申告期限・必要書類・電子申告の手順・中間申告まで、中小法人・一人法人オーナーが押さえておくべき手続きを一気にまとめました。

法人の確定申告とは?

法人の確定申告とは、事業年度(1年間)の所得を計算し、法人税・法人住民税・法人事業税をそれぞれ自己申告して納付する手続きです。個人の確定申告とは異なり、申告期限は決算日から2ヶ月以内と、法人ごとに異なります。

申告期限

決算日の翌日から2ヶ月以内
(延長申請で最大1ヶ月延長可)

提出先

税務署(法人税)
都道府県・市区町村(住民税・事業税)

提出方法

資本金1億円超は電子申告が義務
中小法人も電子申告が強く推奨

申告する税金

法人税 + 法人住民税
+ 法人事業税(+消費税)

個人の確定申告との主な違い

比較項目法人の確定申告個人の確定申告
申告期限 決算日から2ヶ月以内(法人ごとに異なる) 毎年3月15日固定
申告する税金 法人税・住民税・事業税(別々に申告) 所得税(1本で申告)
電子申告 資本金1億円超は義務(中小も推奨) 任意(e-Taxで控除が増える)
申告書の種類 別表一〜多数+勘定科目内訳書など 申告書(第一表・第二表等)
中間申告 前年税額が10万円超の場合に必要 前年税額が15万円以上で予定納税
赤字の繰越 10年間繰り越し可能 3年間(青色申告のみ)
法人の税金計算の流れ
会計上の利益
(損益計算書)
±
税務調整
(損金不算入・益金算入など)
=
課税所得
(所得金額)
×
税率
(15%/23.2%)
=
法人税額

※ 法人税のほかに、住民税(法人税額基準)・事業税(所得基準)・消費税(別途)が加わります。

すべての法人に申告義務がある

株式会社・合同会社・NPO法人・社団法人などすべての法人は、赤字(欠損)であっても確定申告が必要です。申告しないと繰越欠損金が使えなくなり、加算税・延滞税も課されます。

申告期限と提出先

法人の申告期限は事業年度終了日(決算日)の翌日から2ヶ月以内です。3月決算の会社なら5月末、12月決算なら2月末が期限になります。

決算月別の申告・納付期限

6月決算
→
申告・納付期限
8月31日
9月決算
→
申告・納付期限
11月30日
12月決算
→
申告・納付期限
翌2月28日

提出先と申告の種類

国税(税務署)
法人税の確定申告書
消費税・地方消費税の確定申告書

納税地(本店所在地)を管轄する税務署に提出。e-Taxで電子申告することが推奨(資本金1億円超は義務)。

地方税(都道府県)
法人事業税の申告書
法人道府県民税の申告書

本店のある都道府県の税事務所に提出。eLTAX(エルタックス)で電子申告できる。

地方税(市区町村)
法人市町村民税の申告書

事業所のある市区町村役場に提出。eLTAXでまとめて申告可能(都道府県税と同時送信)。

申告期限の延長(最大1ヶ月)

やむを得ない事情(決算が間に合わないなど)がある場合、「申告期限の延長の特例」を申請することで1ヶ月延長できます。ただし納付期限は延長されないため、税額の見込み額を期限内に「見込み納付」する必要があります。延滞税を避けるには早めに手続きを。

3月決算法人の申告スケジュール例
3月31日決算日(事業年度終了)
4月中旬決算整理・税額試算(税理士と確認)
4月末〜5月初申告書・決算書の最終確認
5月31日(期限)法人税等の申告書提出+納付
6月住民税(均等割)の第1期分の支払い開始
11月(中間申告期限)前年税額の1/2を中間申告・納付
税理士に依頼している場合は、決算書の数値確定→申告書チェック→提出までに通常4〜6週間かかることを想定して準備を。

申告する税金の種類

法人の申告では複数の税金を別々の書類で申告します。法人税(国税)・法人住民税・法人事業税(地方税)の3種類が基本で、消費税の申告も別途必要です。

法人税(国税)
税率 15〜23.2%

国に納める基本の税金。課税所得(≒利益)に対して課税。中小法人は年800万円以下の部分に軽減税率15%が適用される。

課税所得800万円以下:15% / 超過部分:23.2%
法人住民税(地方税)
法人税割+均等割

都道府県民税と市区町村民税の2本立て。法人税額を基に計算する「法人税割」と、資本金・従業員数で決まる「均等割」(赤字でも発生)がある。

法人税割:法人税額×約17% 均等割:最低7万円/年
法人事業税(地方税)
所得 × 3.5〜7%

事業を行う都道府県に納める税金。所得金額に対して課税(所得割)。特別法人事業税が国税として上乗せされる(形式上は国税だが都道府県が徴収)。

400万円以下:3.5% 400〜800万円:5.3% 800万円超:7%
消費税(国税+地方税)
課税売上高による

前々事業年度の課税売上高が1,000万円超の場合に申告・納付義務が生じる。法人税とは別に申告書を作成。設立2年は原則免税。

本則課税:売上消費税 − 仕入消費税 簡易課税:売上消費税×(1−みなし仕入率)

実効税率の内訳(中小法人・課税所得800万円の場合)

税金の種類税率・計算基礎税額(概算)
法人税(800万円 × 15%)15%1,200,000円
法人住民税・法人税割(1,200,000 × 17.3%)法人税額 × 17.3%207,600円
法人住民税・均等割固定(資本金・人数による)70,000円
法人事業税(800万円 × 3.5〜5.3%)3.5〜5.3%約308,000円
特別法人事業税(事業税の37%)事業税 × 37%約113,960円
合計税負担約1,899,560円
実効税率約23.7%

※ 東京都・標準税率での概算。地域・業種・会社規模によって異なります。

課税所得の計算式
課税所得 = 益金(収益) − 損金(費用・損失) ± 税務調整

※ 会計上の利益と税務上の所得は一致しない。損金不算入(交際費超過・役員賞与等)・損金算入(繰越欠損金等)の調整を経て課税所得を計算。

必要書類・申告書の種類

法人税の申告書は個人の確定申告書より複雑で、別表(べっぴょう)と呼ばれる複数の書類で構成されています。税理士ソフトや申告ソフトを使えば自動で作成できます。

法人税申告書の主な書類構成

別表一(主票)

法人税額の計算の総括。各別表の数値を集約して最終的な納税額を計算する申告書の表紙に相当する書類。

別表二

同族会社の判定。オーナー系企業は必ず添付。

別表四

所得の計算。会計利益から税務調整して課税所得を算出(最重要の別表)。

別表五(一)

利益積立金額・資本金等の明細。繰越欠損金もここに記載。

別表五(二)

法人税・住民税・事業税の未納税額の明細。

別表六(一)

所得税額の控除(源泉徴収された税額の控除)。

別表七(一)

繰越欠損金の控除明細。赤字の繰越がある場合に必要。

別表十六

減価償却費の計算明細。固定資産がある場合に必要。

その他の別表

交際費(別表十五)・寄附金(別表十四)・税額控除(別表六各号)など、状況に応じて追加。

添付書類チェックリスト

☐
貸借対照表・損益計算書(財務諸表)

会計ソフトから出力。法人税申告書に添付が必要(電子申告ではXBRLまたはPDF形式)。

必須
☐
勘定科目内訳明細書

売掛金・買掛金・借入金・役員報酬などの内訳を記載。電子申告では添付省略できる科目もある。

必須
☐
事業概況説明書

業種・事業内容・役員構成・期中の主な出来事などを記載するA4一枚程度の書類。

必須
☐
法人税法上の届出書(必要なもの)

青色申告の承認申請書・棚卸資産の評価方法の届出・減価償却の方法の届出などを期限内に提出済みか確認。

確認
☐
適用額明細書(租税特別措置の適用がある場合)

中小企業投資促進税制・研究開発税制など、租税特別措置を適用する場合は添付が必要。

該当者
☐
消費税申告書(課税事業者のみ)

法人税とは別の申告書。本則課税か簡易課税かによって様式が異なる。同じ期限内に提出。

該当者
☐
地方税申告書(法人住民税・事業税)

eLTAX(地方税ポータル)で電子申告。法人税と同時に申告すると効率的。

必須
法人の青色申告承認申請書の提出

法人も青色申告を選択することで、繰越欠損金の10年間繰越・欠損金の繰戻還付などの特典が受けられます。設立後3ヶ月以内(または最初の事業年度終了の日のどちらか早い日の前日まで)に税務署へ提出します。現在ほとんどの法人が青色申告を採用しています。

申告の手順(STEP別)

法人の確定申告は、決算整理→申告書作成→提出→納付の順で進めます。決算日から2ヶ月という期限は意外と短いため、決算月に入る前から準備を始めることが重要です。

通年
STEP 1 | 日々の記帳・経理処理

売上・仕入れ・経費を会計ソフト(勘定奉行・freee・マネーフォワード等)に都度入力します。銀行明細・カード明細の自動取込みを活用すると効率的です。

領収書・請求書は7年間保存義務(電子データでも可)
役員報酬は毎月定額に。年途中の変更は損金不算入になるリスクがある
法人と個人の資金を混同しないよう法人口座を厳格に管理する
↓
決算1〜3ヶ月前
STEP 2 | 決算前の節税対策・利益確認

決算日が近づいたら利益の着地を試算し、節税余地を確認します。決算日を過ぎると多くの対策は間に合わないため、早めの行動が重要です。

①
未払費用の計上

決算日時点で発生しているが未払いの費用(顧問料・給与・外注費など)を正確に計上する。

②
30万円未満備品の一括購入

青色申告の少額減価償却特例(30万円未満・年合計300万円まで)を活用して今期中に費用計上する。

③
不良在庫・貸倒れの処理

回収見込みのない売掛金は貸倒損失として、価値の下がった在庫は評価損として経費に計上する。

④
修繕費・消耗品の前倒し購入

翌期に予定していた修繕・消耗品の購入を今期に前倒しし、費用計上する。使用の事実が必要。

↓
決算後〜1ヶ月
STEP 3 | 決算整理・財務諸表の作成

決算日を過ぎたら帳簿を締め、決算整理仕訳を行って財務諸表を作成します。

①
減価償却費の計算・計上

固定資産台帳に基づいて減価償却費を計算。定額法・定率法の選択に注意。

②
棚卸資産の評価・計上

期末在庫の実地棚卸を行い、原価法または低価法で評価額を確定する。

③
繰延税金資産・負債の計算

税効果会計を適用している場合(上場会社や会計監査を受けている場合)は計算が必要。

④
貸借対照表・損益計算書の確定

全仕訳を確認し、BS・PLを確定。これが税務申告の基礎となる。

↓
決算後〜申告期限
STEP 4 | 申告書の作成(別表の作成)

財務諸表が確定したら、申告書(別表)を作成します。税理士ソフトまたは国税庁の「法人税等の電子申告対応ソフト」を使います。

別表四の作成(最重要)

会計利益に損金不算入・益金算入・損金算入・益金不算入の調整を加えて課税所得を算出。役員賞与・交際費超過額・寄附金などの調整が中心。

各別表の連動確認

別表五(一)の期首数値が前期末と一致しているか、繰越欠損金が正しく引き継がれているかを確認。

地方税申告書の作成(同時進行)

法人税の数値が確定したら、住民税(法人税割)・事業税の申告書を作成。eLTAXで送信。

↓
申告期限まで
STEP 5 | 申告書の提出

申告書が完成したら、e-Tax(法人税)とeLTAX(地方税)で電子申告します。同時に納付も行います。

e-Tax(法人税・消費税)★推奨
  • 資本金1億円超は義務。中小法人も強く推奨
  • 別表・財務諸表をXBRL形式で送信
  • 送信前に「エラーチェック機能」で検証可能
  • 受信通知(受付番号)が即日発行される
eLTAX(住民税・事業税)
  • 都道府県税・市区町村税をまとめて電子申告
  • e-Taxと連動しているソフトなら一括送信可能
  • 事前にeLTAXへの利用者登録が必要
書面(紙)での提出
  • 中小法人は書面での提出も可能(消印有効)
  • 控えには税務署の受付印をもらうこと
  • e-Taxに比べて時間・コストがかかる
↓
申告期限まで
STEP 6 | 納付
法人税・消費税の納付先
  • e-Taxからダイレクト納付(口座振替)が便利
  • コンビニ納付・クレジットカード・Pay払いも可
  • 金融機関の窓口でも納付可能
住民税・事業税の納付先
  • eLTAXからダイレクト納付
  • 都道府県・市区町村の指定口座へ振込
  • 均等割は申告前でも督促が来ることがある
納付が申告より先でもOK。税額が確定したら早めに納付して延滞税を防ぐ
赤字で法人税がゼロでも均等割(住民税)は必ず発生する(最低7万円/年)

電子申告(e-Tax)の方法

法人の電子申告は、税理士ソフト(TKC・MJS・弥生等)またはダイレクト型ソフトを使うのが一般的です。自社申告の場合は国税庁の「e-Taxソフト(WEB版)」も利用できます。

e-Tax利用の準備

1
法人の電子証明書を取得

商業登記に基づく電子証明書(法務省)を取得。有効期間内(1〜3年)に更新が必要。代表者個人のマイナンバーカードでも申告可能。

2
e-Taxへの利用者識別番号の取得

e-Tax(国税電子申告・納税システム)に利用者登録を行い、利用者識別番号(16桁)を取得する。一度取得すれば毎年使い回せる。

3
eLTAXへの利用者登録

地方税の電子申告用に「PCdeskシステム」またはeLTAXポータルで利用者登録を行う。e-Taxとは別に登録が必要。

4
会計ソフト・申告ソフトの準備

会計ソフトが申告データ(XBRL)の出力に対応しているか確認。多くの会計ソフトはe-Tax・eLTAXへの直接送信機能を持っている。

申告方法の選択肢

申告方法適している法人費用感手間
税理士に丸投げ 時間がない・申告書が複雑な法人 月1〜3万円(顧問料)+決算料 ★☆☆
会計ソフト連動で自社申告 簡単な取引の一人法人・小規模法人 ソフト費用のみ(月数千円〜) ★★★
e-Taxソフト(WEB版)で自社申告 取引がシンプルで申告経験がある法人 無料(e-Tax自体は無料) ★★★
書面(紙)で税務署へ提出 電子申告環境が整っていない中小法人 印刷・郵送コストのみ ★★☆
電子申告が義務化されている法人

以下の法人は電子申告が法令上の義務となっています(e-Taxによる申告)。

  • 資本金または出資金が1億円を超える法人
  • 相互会社(保険会社)、投資法人、特定目的会社

上記以外の中小法人は義務ではありませんが、税務署・自治体とも電子申告を強く推奨しており、ペーパーレス化の流れが加速しています。

中間申告と予定納税

事業年度が6ヶ月を超える法人で、前事業年度の法人税額が10万円を超える場合、事業年度の途中(6ヶ月経過後2ヶ月以内)に「中間申告」を行う義務があります。

中間申告のタイミング(3月決算・12ヶ月事業年度の場合)
4月1日
事業年度開始
9月30日
事業年度の中間点(6ヶ月経過)
11月30日
中間申告・納付期限
(6ヶ月経過後2ヶ月以内)
翌3月31日
決算日
翌5月31日
確定申告・納付期限
(中間申告分を精算)

中間申告の2つの方法

① 予定申告(自動的に行われる)

前事業年度の法人税額の2分の1を中間納付する方法。税務署から「中間申告書・納付書」が送付されるので、その金額を納付するだけでOK(申告書の提出は省略できる)。

中間納付額 = 前年度の法人税額 ÷ 2
② 仮決算による中間申告

事業年度の最初の6ヶ月で実際に仮決算を行い、実態に即した税額を申告・納付する方法。前年より今期の業績が大きく下がっている場合は、こちらの方が納付額を減らせる。

中間納付額 = 前半6ヶ月の実際の所得 × 税率
前事業年度の法人税額中間申告の義務推奨する方法
10万円以下中間申告の義務なしなし(確定申告のみ)
10万円超中間申告が必要業績が前年並みなら予定申告
業績が前年より大幅減少中間申告が必要仮決算で実額申告(納付を減らせる)
計算例:前年度の法人税額が180万円の場合の中間申告
前年度の法人税額1,800,000円
予定申告による中間納付額(÷2)900,000円
確定申告での法人税額(当期)2,200,000円
中間申告分を差し引いた差額2,200,000円 − 900,000円
確定申告時の追加納付額1,300,000円
中間申告で払い過ぎた場合は、確定申告後に還付を受けられます。資金繰りが厳しい場合は仮決算による中間申告も検討しましょう。

よくあるミスと対処法

法人の確定申告でよく発生するミスと、その対処法をまとめました。ペナルティを防ぐために事前に把握しておきましょう。

01
申告期限を超過してしまった(無申告)
問題

法人税の無申告には無申告加算税(5〜20%)と延滞税(年2〜14.6%)が課されます。税務署の調査前に自主申告すれば加算税は5%に軽減されます。

対処法

気づいたらすぐに申告書を作成して提出する。赤字でも申告は必要(均等割は発生し、欠損金の繰越も失われる)。繰越欠損金を守るためにも期限内申告が必須。

02
役員報酬を期中に変更してしまった
問題

役員報酬は事業年度開始から3ヶ月以内に決定・届出し、毎月同額を支払う「定期同額給与」が損金算入の要件。期中の増減は変更部分が損金不算入になり、法人税が増える。

対処法

報酬変更は次の事業年度開始後3ヶ月以内に行う。業績不振で当期中に下げる必要がある場合は「経営状況の著しい悪化」要件を満たすか税理士に確認する。

03
役員への賞与が損金不算入になった
問題

役員への賞与は原則として損金不算入(経費にならない)。払っても法人税を下げる効果がなく、個人の給与課税だけが生じる。

対処法

役員に賞与を出したい場合は「事前確定届出給与」として、支給日・支給額を事前に税務署へ届け出ることで損金算入できる。届出期限は職務執行開始日・株主総会から1ヶ月以内。

04
交際費の上限(800万円)を超えた部分が損金不算入
問題

中小法人は年間800万円まで交際費を全額損金にできるが、超過分は損金不算入。社外との飲食は一人1万円以下(2024年4月以降。旧5,000円)なら会議費として別枠で全額損金にできるため、区分を誤ると損金算入の範囲を逃す場合もある。

対処法

交際費と会議費を適切に区分して集計する。社外飲食は一人1万円超なら交際費、1万円以下(2024年4月以降)なら会議費(全額損金)として処理できる可能性がある。参加者名・人数・目的のメモを保存しておく。

05
申告書の数値ミス・別表の転記ミス
問題

別表四・五の転記ミス、前期末の数値の引き継ぎ誤り、繰越欠損金の計算ミスなどは申告書の信頼性を損ない、税務調査のリスクを高める。

対処法

申告書は必ず前期と整合しているかを確認する。修正が必要な場合は「修正申告書」(税額が増える場合)または「更正の請求」(税額が減る場合)を提出。更正の請求は申告期限から5年以内。

06
設立時の届出を出し忘れた
問題

法人設立後に提出が必要な届出書(青色申告承認申請書・棚卸資産の評価方法・減価償却の方法など)の期限を逃すと、有利な特例が受けられなくなる。

対処法

設立後速やかに税務署に必要書類を提出する。特に青色申告承認申請書は設立後3ヶ月以内(または最初の事業年度終了日の前日のどちらか早い日まで)が期限。

設立後に提出が必要な主な届出書一覧

届出書名提出期限提出先重要度
法人設立届出書設立後2ヶ月以内税務署・都道府県・市区町村★★★
青色申告承認申請書設立後3ヶ月以内 or 最初の事業年度終了前日税務署★★★
給与支払事務所等の開設届出書給与支払開始から1ヶ月以内税務署★★★
源泉所得税の納期の特例申請書特例を受けたい月の前月末まで税務署★★☆
棚卸資産の評価方法の届出書最初の確定申告書の提出期限まで税務署★★☆
減価償却資産の償却方法の届出書最初の確定申告書の提出期限まで税務署★★☆
消費税課税事業者選択届出書適用を受けたい課税期間の前事業年度末まで税務署★☆☆
法人の年間税務カレンダー(3月決算・中間申告ありの場合)
4月(期首)

• 新事業年度スタート

• 役員報酬の確定・届出(3ヶ月以内)

• 消費税課税方式の選択確認

5月(前期確定申告)

• 5/31 法人税等の確定申告・納付

• 消費税の確定申告・納付

• 地方税(住民税・事業税)の申告・納付

6〜9月

• 通常の経理・記帳

• 中間期の試算・業績確認

• 節税対策の検討開始

11月(中間申告)

• 11/30 中間申告・納付期限

• 消費税の中間申告・納付

• 年度末の節税対策を本格検討

12〜2月(決算前)

• 決算前の節税施策の実施

• 未払費用・在庫の確認

• 30万円未満備品の購入

3月(決算月)

• 3/31 決算日

• 実地棚卸・固定資産確認

• 最終的な決算整理仕訳

よくある質問

法人税の申告期限はいつ?

原則として事業年度終了日の翌日から2か月以内です。会計監査などの事情があれば申告期限の延長の特例を申請できますが、納税は期限内に行う必要があります(利子税に注意)。

赤字でも法人税の申告は必要?

必要です。法人住民税の均等割(最低でも年7万円程度)は赤字でも発生します。また欠損金を最大10年繰り越すには申告が前提です。

税理士なしで自分で申告できる?

e-Taxや会計ソフトで自力申告も可能ですが、法人税の別表作成は複雑で、役員報酬・減価償却・税額控除など判断を要する論点が多いため、税理士への依頼が一般的です。

参照元・公式情報

本記事は以下の公式情報をもとに作成しています。制度は改正されることがあります。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

※ 本記事の内容は情報提供を目的としており、税務・法務アドバイスではありません。個別の税務判断については、所轄の税務署または税理士にご相談ください。