健康保険の扶養に入る条件|130万円・150万円・180万円の基準と手続き

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会社員・公務員の家族は、条件を満たせば保険料の負担なしで健康保険に入れます(被扶養者)。さらに配偶者なら国民年金の第3号被保険者として年金保険料もかかりません。カギになるのが「年収130万円未満」などの収入基準です。

2026年4月からは労働契約の内容で判定する新ルールが始まり、2026年10月にはいわゆる「106万円の壁」(月額8.8万円の賃金要件)が撤廃されます。この記事では、扶養に入れる条件・税の扶養との違い・2025〜2026年の制度改正を、一次情報の出典つきで整理します。

一般(配偶者・家族)130万円未満今後1年間の見込み年収
19〜23歳未満の子など150万円未満2025年10月〜(配偶者除く)
60歳以上・障害年金受給180万円未満年金収入も含めて判定
収入基準のポイント
  • 同居なら被保険者の収入の半分未満(別居なら仕送り額未満)も必要[日本年金機構]
  • 「年収」は今後1年間の見込みで、通勤手当・失業給付・年金も含む。税の扶養(123万円)とは別物
  • 2026年4月から、給与のみの場合は労働契約の内容で判定[日本年金機構]
  • 従業員51人以上の勤務先で週20時間以上働くと、130万円未満でも本人が社会保険に加入し扶養から外れる。2026年10月に賃金要件(106万円の壁)は撤廃[厚生労働省](詳しくは106万円と130万円の壁)。
社会保険料

扶養に入れる人の条件

条件内容
続柄配偶者(事実婚含む)・子・孫・兄弟姉妹・父母など直系尊属は同居不要。それ以外の3親等内の親族は同居が必要
収入基準年収130万円未満(60歳以上・障害年金受給者は180万円未満/19歳以上23歳未満〈配偶者除く〉は150万円未満・2025年10月〜)
収入の比較同居:被保険者の収入の半分未満/別居:仕送り額より少ない
その他国内居住が原則。後期高齢者医療(75歳〜)の対象者は不可

「年収」は過去ではなく「今後1年間の見込み収入」で判定し、給与のほか通勤手当・公的年金・失業給付・傷病手当金なども含みます(月収換算でおおむね108,334円未満)。この点が税金の収入計算と大きく違います[日本年金機構]

税の扶養とどう違う?(123万円 vs 130万円)

税の扶養(配偶者控除等)社会保険の扶養(被扶養者)
基準給与収入123万円以下(2025年改正後)年収130万円未満(見込み)
収入の数え方1〜12月の実績。非課税の通勤手当・失業給付は含まない今後1年の見込み。通勤手当・失業給付・年金も含む
超えたときの影響控除が段階的に減るだけ(配偶者特別控除あり)扶養から外れ、自分で保険料を払う(年20〜30万円程度)

手取りへの影響が大きいのは社会保険の扶養のほうです。税の壁はなだらかですが、社会保険の壁は超えた瞬間に保険料負担が発生します。詳しくは106万円と130万円の壁で解説しています。

扶養を外れたらいくら払う?(年収140万円の場合の目安)

勤務先の社会保険に入る場合:保険料は会社と折半で、本人負担は健康保険+厚生年金あわせて年約20万円。将来の厚生年金や傷病手当金が付く分、掛け捨てではありません。
勤務先で入れず国保+国民年金の場合:国民年金 約21万円(月1万7千円台)+国民健康保険 約8〜11万円(自治体・所得で変動)=年約30万円前後
※いずれも概算の目安です。正確な金額は勤務先・お住まいの自治体でご確認ください。

2025〜2026年の制度改正まとめ

施行時期変わること扶養への影響
2025年10月
(施行済み)
19歳以上23歳未満(配偶者除く)の収入基準が150万円未満に緩和大学生年代の子は年収150万円まで扶養のままでいられる
2026年4月
(施行済み)
給与収入のみの場合、労働契約の内容で見込み年収を判定一時的な残業などで実績がぶれても、契約上の年収が基準未満なら扶養を続けやすい
2026年10月短時間労働者の賃金要件(月額8.8万円)が撤廃従業員51人以上の勤務先で週20時間以上働くと、収入額にかかわらず本人が社会保険に加入(=扶養から外れる)
  • 150万円緩和(2025年10月〜):対象は19歳以上23歳未満の子など(配偶者は対象外)。学生である必要はありません[日本年金機構]
  • 労働契約ベースの判定(2026年4月〜):契約段階で見込めない一時的な残業代は年収に含めません。認定時には労働条件通知書等の添付が必要です[日本年金機構]
  • 賃金要件の撤廃(2026年10月〜):週20時間以上・雇用見込み2か月超・学生でない・従業員51人以上なら、収入額にかかわらず本人が社会保険に加入します。企業規模要件(51人以上)も2027年10月から段階的に撤廃予定[厚生労働省]

よくある誤解

  • 「130万円は1〜12月の実績で判定される」→誤り。社会保険の扶養は今後1年間の見込みで判定します。年の途中で扶養に入る場合も、それまでの収入ではなくこれからの見込みで見ます。
  • 「通勤手当や失業給付は収入に入らない」→誤り。税金では非課税でも、社会保険の扶養判定では収入に含みます。失業給付の受給中は扶養に入れないケースが多い点に注意。
  • 「130万円未満なら必ず扶養に入れる」→誤り。従業員51人以上の勤務先で週20時間以上働くなど加入条件を満たすと、本人が社会保険に加入するため扶養には入れません。2026年10月の賃金要件撤廃後は、収入額よりも週の労働時間が決め手になります。

手続きと外れるときの注意

  • 入れるとき:事実発生から5日以内に、勤務先経由で「被扶養者(異動)届」を提出します(配偶者は国民年金第3号の届出も同時に)[日本年金機構]。給与収入がある人は労働条件通知書等の添付が必要です(2026年4月〜)。
  • 外れるとき:収入が基準を超えた・離婚した・就職したなどの場合は、すみやかに削除の届出を。放置すると、さかのぼって資格を取り消されその間の医療費(保険負担分)の返還を求められることがあります。
  • 外れた後:自分の勤務先の社会保険に入るか、国民健康保険国民年金(第1号)に切り替えます(切り替えは14日以内)。

まとめ|要点だけおさらい

  • 社会保険の扶養は今後1年間の見込み年収130万円未満+同居なら被保険者の収入の半分未満(60歳以上等は180万円未満、19〜23歳未満の子等は150万円未満)。
  • 税の扶養(123万円)とは収入の数え方も超えたときの影響も別物。通勤手当・失業給付は社会保険では収入に含む。
  • 2026年4月からは労働契約の内容で判定。一時的な残業で実績がぶれても、契約上の年収が基準未満なら扶養を続けやすい。
  • 2026年10月からは賃金要件(106万円の壁)が撤廃。従業員51人以上の勤務先では、収入額より週20時間以上働くかが扶養を外れるかの決め手に。
  • 扶養を外れたら、勤務先の社会保険に入らない場合は14日以内に国民健康保険・国民年金へ切り替え。放置は遡及請求のもと。

今日やること

  1. 家族それぞれの「今後12か月の年収見込み」を書き出す
  2. 要件に収まる家族がいれば、勤務先に被扶養者(異動)届の手続きを相談する
  3. 失業給付や年金など「収入」に数える項目の落とし穴を本文で確認する

ほかのアクションは手取りアップ・アクションリストへ。

よくある質問

扶養に入れる年収はいくらまでですか?

原則、今後1年間の見込み年収130万円未満です(60歳以上・障害年金受給者は180万円未満、19歳以上23歳未満の子等は150万円未満)。あわせて、同居の場合は被保険者の収入の半分未満であることが必要です。

税金の「123万円」と何が違うのですか?

別の制度です。税の扶養(配偶者控除等)は1〜12月の実績の給与収入123万円以下が基準で、超えても控除が段階的に減るだけ。社会保険の扶養は見込み年収130万円未満が基準で、通勤手当や失業給付も収入に含み、超えると自分で保険料(年20〜30万円程度)を払うことになります。

一時的に130万円を超えたら即アウトですか?

2026年4月からは、給与のみの場合は労働契約上の見込み年収で判定する取り扱いになり、契約段階で見込めない一時的な残業代は収入に含めないため、契約上の年収が基準未満なら直ちには外れません。最終判断は保険者(協会けんぽ・健保組合)が行うため、まず勤務先・保険者に確認しましょう。

130万円未満でも扶養に入れないことはありますか?

あります。従業員51人以上の勤務先で週20時間以上働くなどの条件を満たすと、本人が勤務先の社会保険に加入するため扶養には入れません。2026年10月には月額8.8万円(年収約106万円)の賃金要件が撤廃され、収入額にかかわらず週20時間以上働くかどうかが決め手になります。

扶養を外れたら何をすればいいですか?

勤務先で社会保険に入る場合は手続き不要ですが、入らない場合は14日以内に市区町村で国民健康保険と国民年金(第1号)への切り替え手続きが必要です。放置すると無保険期間や保険料の遡及請求が発生します。

扶養に入れる手続きと必要書類は?

事実発生(結婚・出生・退職など)から5日以内に、勤務先経由で「被扶養者(異動)届」を提出します。配偶者は国民年金第3号の届出も同時に行います。2026年4月からは、給与収入がある家族を入れる場合、労働条件通知書等の添付が必要です。

データの出典

※健康保険組合によっては独自の認定基準・添付書類があります。本記事は一般的な情報提供であり、個別の認定は加入先の保険者にご確認ください。

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「はい」が多い記事から、優先的に内容を更新・深掘りしていきます。

公開日:2026年06月10日 / 更新日:2026年07月07日 / 執筆:みんなの税金 編集部

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本記事は税制・各種制度に関する一般的な情報提供を目的としたもので、税務上の助言ではありません。記載内容は公開時点の情報に基づき正確性に努めていますが、制度は改正される場合があります。実際のお手続き・個別のご判断は、国税庁・お住まいの税務署・税理士等の専門家にご確認ください。運営者情報・免責事項